HTパネル工法
補強繊維成型版によるコンクリート構造物のはく落防止及び補強工法
HTパネル工法は、補強繊維シートと高靭性フレキシブルボードの成型版補強工法で、成型版をステンレスアンカーでコンクリート構造物に固定した後、間隙にエポキシ樹脂を充填し、一体化することにより、コンクリート構造物の補強、及びはく落を防止する工法です。
アルコンTNC止水工法を用いて予め止水工程を完了後に、HTパネル工法へ進めます。
品質安定性
工場で製作するHTパネルを、施工現場でコンクリート構造物にステンレスアンカーで固定した後、樹脂を充填する作業 のため、品質にバラツキが大きく、作業の熱練を要する補強繊維シートへの樹脂含慢作業が不要のため、補強、はく落防止に対する品質は、バラツキが少なく安定します。
施工性
HTパネル同士の接続は、一方のHTパネルの接続部(補強繊維単体部)をコンクリート構造物に含浸接着し、もう一方のHTバネルの端部を重ね合わせ、その後、充填剤を注入するだけの工程のため、他の補強繊維成型版エ法に比べ、施工性は良好です。
補強·はく落防止効
HTパネルに積層される補強繊維シートは、特性を損なうことなく、コンクリート構造物と、貼付シート、充填樹脂を介して強固に接着するため、コンクリート構造物の補強·はく落防止効果に優れます。
耐熱性·耐久
HTパネルの表面は、不燃性フレギキシブルボードが積層されているため、耐熱性に優れ、また、物理的な衝撃から補強繊維シートを保護します。
現場対応
現場に合わせた寸法のHTパネルをエ場で製作するのが原則ですが、万が一現場での加工が必要な場合でも集塵機付ディスクサンダー等で容易に切断加工エができます。
不測事象時の安全性
各工程間、工程内での中断が可能で、中断による品質の低下などや、仕掛中のHTパネルが剥がれたり、落下することが無く、安全です。
補強繊維シート(例)
補強繊維シートは、 下表に示す炭素繊維、アラミド繊維を用途に合わせて選定、選択することが可能です。
その他構成材料
施工手順
(1)事前調査/準備
HTパネル工法を施工するにあたり、支障が発生する可能性があるかどうか確認し、支障がある場合。(漏水、段差、突起、はく落·欠損、 ジャンカ、及び懸架物)は別途処置。
(2)下地処理工
コンクリート表面の脆弱部、レスタンス、 付着物、 汚れ等を除去。
除去に伴い発生するケレン粉の除去、 処理。
(3)墨出し工
HTパネル設置位置の確認及び墨出し。
(4)プライマー塗布工
ローラー、刷毛を使用し、HTプライマーを塗布する。
(5)HTパネル設置工
設置箇所を確認して、HTアンカーを設置し、HTパネルをボルトで固定する。
(6)接合部含浸接接着工
HTパネルの接合部をHT含浸剤で含浸接着する。(接合部が無い仕様の場合は不要。)
※HTパネルを連続設置する場合は、④と⑤を交互に実施する。
(7)シール工
HTパネルの端部及び目地、アンカーボルトの周囲をHTパテでシールする。
(8)充填接着工
HTパネルに中3mm程度の注入孔·空気排出孔を設け、注入孔よりHTグラウトを注入する。
(9)充填検査工
HTパネル表面からの打音検査により、HTグラウトの充填確認をする。
(10)仕上げ/復旧
樹脂材料等がHTパネルなどに付着した場合は、サンダーケレン等を実施し、除去、再塗装する。
準備工で、撤去した懸架物、設備がある場合は復旧する。